Columnコラム

調達・購買改革コラム
2019.04.05

s2cと調達部門~CPO’s Agendaを踏まえて~(前編)

s2cと調達部門~CPO’s Agendaを踏まえて~(前編)

日々、お客様の調達機能高度化や効率化をサポートしていく中で、毎回改めてS2Cプロセスの重要性を身に染みて感じます。S2Cプロセスとは、Sourcing to Contractの意味で、調達プロセスの中で上流工程を指す、取引先の選定プロセスから契約処理までの一連の流れを言います。対になる言葉としてP2Pプロセスがあり、Procure to Pay、つまり注文から支払いまでです。まだ調達知識が浅い同僚に例えて説明するとき、スーパーマーケットで物を買うときに「どの店から何を買うか」を決めることがソーシング(S2C)、レジに並んで支払いをすることがパーチェシング(P2P)と言って説明しています。S2Cが如何に重要かを端的に示したくてこのように伝えています。

現在のグローバルのビジネス環境においては、あらゆるものをサービスと絡め市場志向にシフトしています。このような背景において、自社のリソースだけでなく他社の製品やサービスも組み合わせて販売する方式に変わって来ています。それに伴い、企業における外注比率が増加し、調達の果たすべき責任が増大するともに、売り側の要求により一層適合した調達サービスを実現することが求められて来ています。今や調達部門は、注文書を発行し、定められたものを取引先から取り寄せると言った旧来の役割ではなく、ソーシングやサプライヤリレーションシップ構築と言った、S2C機能の強化が必須と当社は考えます。

少し前の2月に発行された、The Hackett Groupによる、2019 CPO Agendaの中では、調達の最新の注力すべきエリアとして、以下の5つが挙げられています。

1. 調達分析能力の向上

2. 調達人員のスキルをビジネスニーズに適合させること

3. 取引先関係性管理の活用

4. 調達機能の迅速性の向上

5. 顧客志向の向上

これらは当然の事のように見えますが、当レポートによれば、これらの重要なフォーカスエリアに注力しきれていない現状が報告されています。調達システムの最新化や調達機能の再配置等、組織やインフラの向上に努めている企業が多いようで、要は、上記の5つのフォーカスエリアに到達する前の「仕込み」にかかっていると考えられます。実際、当レポートの中で、現状は乖離がある状況ではあるが、2019年には上記5つのフォーカスエリアのステップに調達組織は到達していくだろうと言及されています。

この5つのフォーカスエリアは、当たり前のことではあるものの、実現するとなると非常に難しいものであり、調達機能が未成熟な企業であれば、項目の意図は分かるが具体的に何をすれば良いのか分からないと言った状況に陥ってしまい、最悪の場合、調達システム投資等に不合理な結果をもたらしてしまう可能性があります。これらの活動を的確に実施していくためには、S2Cプロセスの重要性を正しく認識し、一貫性のある考え方のもとに、プロセス、組織、ITの改革やバイヤーへの教育を実施していく必要があります。

次回ブログでは、第2回として、これらの5つのフォーカスエリアとS2Cプロセスの関連性と実現に向けた考え方を個別に示して行きたいと思います。

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