2020.08.31

株式会社流機エンジニアリング

あらゆる環境のあらゆる課題を解決する

MAIN INTERVIEW
株式会社流機エンジニアリング

取締役 兼 産業営業部長

西村聡nishimura satoshi

KOKOROZASHI

あらゆる環境のあらゆる課題を解決する

今回の取材について

株式会社流機エンジニアリングは、その名の通り空気・水・油・温度・ガス・臭い・粉などあらゆる手に掴めない「流」体を、「機」械で「エンジニアリング」する会社です。独自のフィルター応用技術を土台として、様々な分野の最適環境の創造を実現しています。
     
大型集塵機300台、送風機650台を保有し世界最大規模。宇宙・原子力・トンネルという、極限環境で培った技術をもとにした独自の技術力。そして新たに水処理ソリューションに挑み、日本産業機械工業会主催「優秀環境装置表彰」を獲得。名実ともに「あらゆる環境課題を解決する」専門家である同社の魅力やその源泉について、取締役 兼 産業営業部長である西村聡さんに取材をしました。
     
「失敗の場数を踏むこと」と「記録を残して共有すること」を組織づくりで大切にし、社員の自主性や失敗を恐れない空気感をつくるために、人員配置やマネジメントに意識すると共に、敢えて直近の利益度外視の部署をつくるなど、同社ならではの考え・取り組みがありました。

事業推進の原動力となる志や大切にされる価値観

貴社が大切にしてきた価値観について教えてください。

「メーカー思想」と「あらゆる環境のあらゆる課題を解決すること」です。まずメーカー思想についてお話しますと、創業時はメーカーではありませんでした。設計業務や設置業務を請け負う、お客様にとって便利屋のような存在でして、信頼を得る中でお客様から「こういったものを作れないか」と要望を受けるようになったのです。

そして少しずつオリジナル製品を作る中で好評を得て、メーカーとして軸足を移していきました。お客様のニーズやその背景にある課題を把握し、解決のために製品を作る姿勢が強みとなりました。それは当社の根幹たる考えであり、その積み重ねで、当社は成長をしていきました。

またメーカーとして何のために製品を作るのか、そのコアコンピタンスも長年変わらないものです。当社は「あらゆる環境のあらゆる課題を解決すること」を大切にしてきました。モノを売ることを目的とするのではなく、課題解決を目的にして努めてきました。その結果、集塵・脱臭・除湿・水処理など、地中から宇宙まであらゆる作業環境の課題解決に携わり、お客様の「できたらいいな」を実現する環境ソリューションメーカーとしての現在があるのです。

「メーカー思想」と「あらゆる環境のあらゆる課題を解決すること」は今後も当社の価値観として大切にしていきます。余談ですが、2代目の社長であった現会長は、開発畑出身で今でもモノづくりが大好きな人間です。会長は「20代の頃からの将来達成したいもの」を書類に書き残しており、沢山の今後作りたいものや課題解決したいことが記されています。

貴社の沿革を拝見すると、時代に先駆けて挑戦をしてきたように感じます。

規制や法律があるからと義務的に行うのではなく、「環境を良くするために」「お客様のために」行ってきた結果、時代の先を行きました。環境規制・VOC規制・ダイオキシン・アスベスト・トンネルの粉塵と当社が貢献できる領域は、当初は必ずしも社会的に問題ではありませんでした。ですがそれで困っている人がおり、小さな問題のうちから解決に向けて試験的に開発していました。その結果、時代が追いつき社会的な問題となるタイミングでお役立ちができたのです。

例えば、ダイオキシン問題や土壌汚染問題には当社が日本で最初に貢献をしました。時代に先駆けて調査を行っていたところ、ダイオキシン特措法が生まれ、お客様が悩むタイミングで対応できました。懐かしいことですが、ゼネコンさんから「ダイオキシンとは何か」「どれくらいの大きさなの」と問題解決以前の事を含めて質問攻めでしたが、口だけでない専門家として対応をしました。またダイオキシンの廃棄基準が決まっていない頃に、処理する方針を暫定的に当社が設計し、自治体に参考としていただくこともありました。先行して動いているからこそ、お客様に貢献をすることができたのです。

トレンドに合わせるのではなく、良い環境を実現するために試す・解決する姿勢が独自性に繋がる。

はい、その通りです。結果として良いサイクルになっています。課題を見つけて、最初に当社が試験をしたうえで、お客様からいただいた機会で実経験を積めることは、とても幸せです。またお客様の課題に合わせてカスタマイズが必要となりますが、前例のない大変な課題から逃げずに挑戦をすることで、他社が追随できないレベルに成長できます。

そのようなことばかりに取り組んできたことから、現在ではイノベーター気質のお客様にファンとなっていただけ、世の中で初めての課題にはまず当社にお声かけいただくことが多々あります。例えば展示会で、当社は核となる新技術を紹介します。するとお客様自身で「〇〇に使えるかも」とその技術への関心を膨らませ、「流機さんの技術なら解決できるかもしれない」とお客様の企業において、優先的に稟議を通していただき受注することがあるのです。

また取引先から「新しい素材で面白い可能性があるので、遊んでみてくれませんか」と提案をいただくことも多いです。実用化をする際にはマーケット状況を含め下調べをしますが、そのような話を無下にせず、まずは社内で試験的に遊び心を持って試すと、面白い結果を得られることがあるのです。

お話しいただいた価値観を大切にする同社にあって、西村さんの志を教えてください。

ここまでお話ししてきたことや当社の目指すものが、私自身の志となります。当社が取り組んでいる、あらゆる環境に対する課題解決において、個人的な思いとしては身近な人に直接害を及ぼす課題を解決したいです。

大きな話をしてきた中で身近な話になりますが、例えば都市型のバーベキュー場の臭いと煙の除去を始めています。歓楽街での屋上バーベキューが流行っていますが、同時に「うるさい」「臭い」「匂いがつく」といった問題も生まれているのです。当社のような業界では、消費者寄りの小さな問題は利点が少なく断りがちですが、当社はお客様に課題があれば、社会的な問題になる前に取り組みを始めます。

人が快適に暮らすために環境に課題があれば、取り組むのが当社です。それが当社の社会貢献の在り方でもあります。当社が探さなくとも環境に関する課題は数多く存在し、その解決に当社は多くの宿題や期待をもらっています。「環境に課題があれば流機に」それはとても喜ばしいことですので、きちんと応えることができるように今後とも努めてまいります。

商品・サービスに込められた想い

貴社の事業について教えてください。

当社はフィルター技術をコアとした装置に強みを持ち、集塵・脱臭・除湿・濁水浄化などの分野において、地中から宇宙まであらゆる作業環境の課題解決のために環境装置を開発しています。

トンネルや製鉄工場、ダイオキシン・VOC・アスベスト対策に多くの実績を持ち、作業環境の清浄化のみならず、精密冶金・化学・薬品などのナノ粒子プロセスにも携わっており、最近では震災復興や除染事業にも注力しています。

貴社の強みについて教えてください。

本質的な課題解決能力が強みです。「あらゆる環境のあらゆる課題を解決すること」が当社の思想でして、量産してとにかく売るようなことはせず、世の中やお客様の課題解決に真摯に向き合い、時にゼロベースから製作するなど一品一様のモノづくりを行ってきました。

また当社は単なる製造業、物売りではありません。環境に関するあらゆる課題の解決方法を生み出し、解決手段として製作ができ、実際に課題解決ができる、一連のコンサルテーションに強みがあります。社を支える利益の源泉はレンタルや一般産業の生産現場の環境改善です。その土台のもと開発提案型で、世の中にまだ解決策のない課題や、将来一般的な課題になりそうなことに挑戦をしていくことで、課題解決能力を高めてきました。

課題解決能力が強みの貴社。その強みはどのようにして磨いてきたのでしょうか。

問題の本質から考えること、そして遊び心を持ってチャレンジをしてきたことではないでしょうか。問題の本質から考えることについては、問題を深堀って考えると、上流で別分野が原因になっていることがよくあります。例えば水処理の問題と伺った件で臭気がボトルネックであったりするので、「水を使うのをやめましょう」とムーンショット的な提案をします。当社の製品導入を前提に考えていては、本質的な問題を見逃します。視野を広げ、真摯に問題と向き合ってきました。

遊び心を持ってチャレンジをしてきたことについては、例えば将来問題になりそうなことに先んじて挑戦をしたり、お客様の難題に一品一様で対応するなどしてきました。また別のメーカーから新技術の紹介をもらい、当社で試験し実用に繋げることもあります。未知の領域に挑戦をしていくことで、コンサルテーション力を高めてきた結果、原子力にも宇宙にも当社の活躍の幅が広がりました。現在の「困ったら流機さん」「面白そうな技術があったら流機さん」に繋がっています。

新しく水処理ソリューションにも本格的な展開を始めたと伺いました。

はい、今年の7月に、日本産業機械工業会主催の第46回優秀環境装置表彰において、2年連続の「優秀環境装置表彰」をいただくなど波に乗っています。今回は水処理ソリューションの新製品「革新的膜処理装置(ECOクリーン)」で受賞をしました。この製品は、濁水処理コスト1/10を実現した画期的な製品です。

※表彰の様子()革新的膜処理装置(ECOクリーン)()


「革新的膜処理装置(ECOクリーン)」は工事濁水や工場排水を濾過再生し、循環利用を可能にするMF濁水処理装置です。清澄度は水道水レベルで、一般的なMF(中空糸・平膜)に比べ通水処理量が10倍、許容濁度も10倍と圧倒的な性能を誇ります。独自のフィルター目詰まり制御により連続自動運転が可能であるだけでなく、これまで一般的に採用されている凝集沈殿方式や砂濾過に比べ、ランニングコストを1/10、設置スペースも1/10に削減しました。フィルターの寿命は2年~4年で、交換は10分で可能でありながら、フィルターの再生サービスも行えます。特許10件を取得済み、2件を出願中です。

 

HPには「極限環境で培った」と記載がありましたが、水処理を始めた背景には何があるのでしょうか。

当社は集塵ソリューションに携わる中で、物理的に物質を分離する技術に40年以上取り組んでいます。実は水の濾過に案件ベースで取り組んだこともありました。そして数年前に、「水に活用できる良い膜ができました」とメーカーから話をいただき、遊び心をくすぐられ当社のラボで試験をしたところ、面白い結果を得たのです。そこで試験機を作るなど遊びから実用に向け踏み込んでいきました。

そのような時に311の大地震が発生しました。福島第一原発の事故に伴う、除染作業を進めるための環境整備が必要となり「流機さん面白い濾過膜を開発したよね。2週間以内にすぐに持ってきて」とゼネコンさんから無茶ぶりをいただいたのです。除染作業に水は必須ですが、電気が止まり水インフラも崩壊している中、片道100km以上もある仙台方面からローリー車のピストンで水を運ぶことを強いられる中、水資源の循環利用が急務でした。

泥水などを除染作業に再利用できるレベルにきれいにする。しかもその水をまた再利用できるようにする難題。おそらく他社であれば危険性や経済的な利点から断るのでしょうが、あらゆる環境課題を解決するのが当社です。開発を間に合わせ、除染作業に貢献をすることができました。結果として、その功績が他社にも広がり、当社の新たなソリューションとして展開をできるようになったのです。

難題を好機にして新たなソリューションへ。もちろん得た知見をもとに遊び心で横展開をしているのでは。

はい、その通りです。懸濁物や粒子を補足できることを軸に、違う用途に生かせないかと横展開していき、「プリーツドライヤー脱乾」ができあがりました。同製品は原材料スラリーの固液分離から脱水・乾燥までを1台で行える先端粉体材料向けの脱水乾燥装置でして、業界人にはとても画期的な装置です。

※プリーツドライヤー脱乾

この製品は、都市鉱山の案件で「コストに見合う形で排水内の貴金属の粒子を一切一つも残さず回収したい」と要望を受け開発したものがベースになっています。世の中には、様々な乾燥技術がありますが、どれもエネルギーコストやメンテナンスコストが見合わず、粒子の回収率もまだ余地があり、大変ですが遊び心をくすぐられる要望でした。

メンテナンス効率を上げるために、集塵機メーカーとして培ったフィルターに付着したものを剥離させる技術を組み合わせ、健康暴露を避けたうえで回収効率を高めるために、密閉空間の中で粒子を捕獲できる技術を開発したりと、技術の集大成として製作しました。福島原発の案件で粉塵処理をする際に、環境省から「一粒も放射能物質を漏らさないでほしい」「使用したフィルターの廃棄が放射能廃棄物になることも配慮してほしい」と無理難題な要望を受け、対応した際の知見も生きました。

※詳しくは同社HPより http://www.ryuki.com/water_treatment/

貴社の今後の挑戦について教えてください。

これからもスタンスを変えずに「何か面白いことをしていそう」「また変なチャレンジをしている」と良い意味で思われたいです。最近では海外に進出している日本企業の支援にチャレンジをしています。諸外国は自国以外の企業に対して厳しい環境規制を行っています。例えば中国では環境悪化要因をミクロ単位で規制しており、国として年間排出量を取り決め、外国企業にも厳しい割り当て量になっています。期日までに対処しなければ、厳しい罰則を受けることも聞いております。そのため各企業は必至に取り組みを進めており、当社もその支援を始めています。

一方で、商文化が異なることから人脈形成で苦労することもあり、技術だけではアプローチができない領域が存在します。そこで環境改善に対する情熱や方向性の合致する企業と、手を組みながら開拓を進めています。協業企業と共に、最高品質で勝負を進めていきます。

人財活性や組織づくりへの取り組み

組織づくりにおいて、大切にしていることを教えてください。

「失敗の場数を踏むこと」と「記録を残して共有すること」です。まず「失敗の場数を踏むこと」についてお話しますと、失敗の数は、成功の可能性を最大化します。当社は難題に立ち向かうことが多く、最初は失敗して当然ですが、諦めずに失敗から学び改善を繰り返すことで、最終的には成功に繋げるのです。

そういった考えのもと、現場の社員には困難の矢面に敢えて立たせます。逃げずに立ち向かってもらうことで、失敗を多く経験し、お客様にも叱られることもあります。その中で成功に繋げることによって同じ環境、条件であれば失敗しない経験値を社員一人ひとりが積むことになるのです。

また個人の経験として完結させてはいけません。会社の経験するために、記録に残すことを徹底します。例えば「不具合委員会」という組織を設け、小さな失敗から重要なインシデントまで把握・整理・共有しています。様々な経験の組み合わせによりアイデアが生まれ、新たな問題を解決できますし、お客様や材料メーカーさんに共有することで当社内だけでは生まれないアイデアを得ることができます。失敗の場数だけ財産になるのです。

失敗は必要と分かりながらも皆さん嫌なもの。失敗を恐れない環境をどのようにつくっているのですか。

精神論とは少し異なるのですが、空気づくりが大切です。堅苦しいルール化や、行動目標化をしても、逆効果です。ルールを設けても、ルールに沿った行動ができなければ怒られるので、失敗を恐れる悪循環が生まれます。ボーナスを渡しても、お金をもらえるから失敗をしようと、本質的でない行動を促進しかねません。失敗を恐れる心そのものに向き合う必要があるのです。

その空気づくりの土台となるものが、モノづくりが好きであることです。モノづくりが好きであれば失敗をしても、より良いモノを作ろうと好き好んで取り組みます。プライドがあるので、良いものを作れなければ納得できず自ずと改善をします。その土台のもとで、任せることが大切です。

本人にやる気がある中で、他者が下手に関わりすぎると自分事でなくなります。他者の意見をもとに行い失敗をすれば、人間なので「言われたとおりにやりましたよ」とどこか釈然としない気持ちが残ります。相談があれば乗りますが、問題の矢面に立っている本人に基本的には任せます。自分の思いを持って取り組むからこそ、少しずつ自分事になっていくのです。それで失敗すれば糧に、成功すれば自信に繋がります。

本人の主体性を尊重しながら任せるための、貴社ならでは取り組みを教えてください。

各役割や案件に担当を任せる際に、教育する側とされる側のバランスを見て割り振りをしています。また各人の力量を見ながら自分事にできる余地を持たせて割り振ります。教育者がいて、マネジメントできている状態で経験値を積ますことが肝となるので、マネジメント層に抜擢をする際にも、人を育てられるかどうかは重要な事項の一つです。

「昔はこういうことをやったんだ」と話す人もいますが「そうなったらおしまい」とよく社員に言います。それは歩みを止めた人の話です。部下が困難な局面にあり手助けが必要な時に、過去の第三者的な話は意味がありません。当事者と同じ立ち位置で、お互いの得意不得意を補完しながら、一緒に問題を解決できるからこそ上司です。そういった人間が多ければ、「この会社は最悪、誰かが何とかしてくれるから、まずは自分で挑戦してみよう」と安心感を持って主体的に挑戦ができます。

また、各案件に対して、誰が何をしてきたのか、すべて記録を残しています。若い人が担当する際には守破離の守ができているか上司が確認をする必要がありますし、ベテランが担当した際には離を次の担当が理解する必要があります。それらを確認しながらお客様に迷惑をかけないようにすると共に、マネジメント材料や各人の成長材料としています。

貴社として大切にする価値観や行動指針の浸透はどのように行っているのですか。

価値観浸透の肝はコミュニケーションですので、様々な企画を行っています。このご時世なので行えないのですが、例年は海外への社員旅行、泊まり込みで忘年会といったことを行っています。その際には意図した班分けを行い、例えば移動時にその班内で特定のテーマに沿った会話をし、意見をまとめて提出してもらいます。

会議ではないので、きちんと意見がまとまらなくともよく、大切なのはプロセスです。普段思っていることや、現状に対しての改善案を直接的に話し合うことで、個々人の現状認識が深まり、日常のアンテナにもなります。

また年末の成果発表会も重要事項一つです。各部署や社内委員会の中で選出された人が、目標と成果を発表します。成果そのものよりも、会社として、各部署としてどのような目標を持ち取り組んでいるのか、そのための重要事項は何か、達成・未達成の要因は一体何であったのか、共有し合うことにより、会社としての一体感を生んでいるのです。

※忘年会旅行()・成果発表会()


なぜプロセスを大切にしているのでしょうか。また目標はどのように設定していますか。

例えば営業であれば1億円稼ぐことは成果です。そのためのプロセスである顧客の接触回数や提案件数や新規顧客接点獲得数といったものを行動目標としています。目標が成果のみであれば達成か否かのみに着眼され、振り返りようがなく、達成しなければすべて悪のような状態にもなります。

達成しなかった人は、成果に近づくための課題を見えるようにして振り返りを可能にし、成果に近づくための修正をできるようにすることが大切です。また同じ未達成でも、与えられたミッションを実現するための重要要素のみができない状況下で、それが外部環境に左右されるものであったらどうしようもありません。難題にチャレンジする社員ほど報われなくなります。それらを含めて見えるようにしています。

目標を作成するには、大目標から個人に落とし込んでいきます。トップダウンではなくまず個人に作らせ、マネジメント層が縦横のつながりを見ながら歯抜けを埋めていきます。特に部署間の関連性は組織・個人としての目標達成の肝になるので、注意して確認をします。

「まず試す」「遊んでみる」といった貴社らしさを促す仕組みはありますか。

組織としての効率化は大切ですが、敢えて圧倒的に非効率でよい部署を残しています。困難で未知の課題解決のために、究極の一品一様で勝負する部署でして、目標設定は非常に抽象的でとにかく挑戦することを大切にしています。

例えば非常に特殊で高品質が要求される原子力や航空機の分野で、10年に一回の機会ですが非常に高額な案件に挑んでいます。会社全体の売上比率から見れば小さいですが、今後大きな貢献となる可能性を持っています。そこで得た知見をもとに、横展開して新たなソリューションを生み出していくのです。

圧倒的に非効率で、社内からもいろいろと言われることもありますが、遊び心は当社の強みです。意見を交わし合うことは私も好きですし、同じ会社の社員に納得感やワクワク感をつくれないようでは、お客様に響く提案もできません。今後とも遊び心を持って、あらゆる環境のあらゆる課題の解決に挑戦をしていきます。

※同社の社員旅行の様子

COMPANY PROFILE

理念・ミッション

〇理念

  • 私たちは、エンジニアリングメーカーとして、お客様の「できたらいいな」を実現し、期待を超える感動と喜びを創造します。

社名

  • 株式会社流機エンジニアリング

代表

  • 代表取締役社長 西村司

事業内容

  • 1.流体機器装置、圧力流量制御装置の設計・開発
  • 2.同機械装置類の据付・整備・保守業務
  • 3.宇宙関連地上試験設備の設計・開発
  • 4.原子力関連設備(除染・減容分野)の設計・開発
  • 5.産業機械の商品企画・開発・販売
  • 6.換気システムコンサルタント業務
  • 7.建設機器の企画・開発
  • 8.建設機器のリース・販売

設立年

  • 1977年

社員数

  • 126名(2020年4月末日)

売上

  • 48億円(20199月実績)

所在地

  • 〒108-0073 東京都港区三田3-4-2 いちご聖坂ビル

受賞・表彰歴

〇2019年

  • 45回優秀環境装置表彰 経済産業省産業技術環境局長賞
  • 日刊工業新聞優秀創業者賞
  • ウーマンエンパワーアワード特別賞

〇2020年

  • 46回優秀環境装置表彰 日本産業機械工業会会長賞
  • 経済産業省認定グローバルニッチトップ企業
  • 港区ワーク・ライフ・バランス推進企業認定
  • 企業価値認定

ほか

出版物

  • 「お金だけでは計れない価値をつくりだす企業2」(ダイヤモンド社)

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